アンダルシアの犬

シュルレアリスムの傑作と評される、実験的ショート・フィルム。
アナキズムに心酔していたブニュエルによる、「映画の機能を否定した映画」。
大筋で男性と女性の情のもつれを描くものの明快なストーリーはない。
当時すでに、世界各国でさまざまな芸術運動に影響された映像作品が作られたことがわかる。

冒頭の女性が剃刀で眼球を真二つにされるシーンに始まり、切断され路上に転がった右腕を杖でつつく青年、手のひらに群がる蟻など、脈略のない、だが衝撃的な謎めいたイメージ映像が断片的に描かれる。それらはブニュエルとダリが互いに出し合ったイメージ群であり、観客はそれらのイメージから、何かしらを感じ取る事を要求される。

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